ツリー下での死闘

あたたかいホットチョコレートで暖をとっていたガレットの元に、一通の手紙が届きました。

『雪降る夜、青いツリーの下で会いましょう　ブランシュ』

「あら？　あの子にしては、気の利いた誘い文句じゃない。
……って、ちょっと待って。このセリフ、どこかで聞いたような気がするわね」

*
*
*

「これね」

どうやら、街のクリスマスイベントのチラシから丸写ししたようです。
それでも一応、文面に工夫を凝らそうという努力だけは認めるべきでしょうか。

「広場にツリーが置かれているのね。青いツリーだなんて、珍しいわ」

ふと、窓の外を見ると、闇に交じって細かな粉雪がちらつき始めていました。

*
*
*

その頃、一足早くイベント会場の広場に到着していたブランシュ。
　
「ふふふ～。ガレットさん、手紙、読んでくれたかな～」

なにせ、久しぶりのデートです。
しかも、こんな雰囲気の良い場所で待ち合わせなんて、否が応にも期待が高まるというものでしょう。
その時でした。

……ヴォン！

鈍い音とともに、背後に複数の気配を感じました。
振り返れば、ユキグモとコオリグモが出現していました。その数、あわせて１０。

「ニュースでやってた、エドワード博士が放ったモンスター！？　こんなところにまで出てきやがったのかよ！」

辺りにひとけはなく、共闘者は望めそうにありません。
ブランシュは、腰に提げていた剣を鞘から引き抜くと、モンスターに向かって構えました。
あの「時の扉と太古の森」事件から、リオンくんに剣の稽古をつけてもらうようになったブランシュ。
今日は、デートなので迷ったのですが、念のためにと持参したのが役に立ったようです。

「ガレットさんが来る前に、こいつらを何とかしなくっちゃ。よおし、かかって来い！」

気合いとともに、刃に光が宿ります。
勢いよく斬りかかっていったブランシュですが、剣はクモたちの固い表皮にはじかれ、傷ひとつ付けることができません。

「そういえば、ニュースで言ってたっけ。クモには雪玉の攻撃しかきかないんだ」

ひらめいたブランシュは、一度ツリーの陰に隠れると、雪玉を山ほどこしらえました。
それからもう一度剣を取り、立ち上がります。

「おらー、クモども！　これでも食らえー！」

カキーン！　１００本ノックの要領で、左手で投げ上げた雪玉を、光剣をバットがわりに打ち込んでいきます。
威力を増した雪玉は、次々とユキグモとコオリグモに命中し、あっという間に死屍累々の山が築かれました。

「ぜーはーぜーはーぜーはー」

クモたちの死体が、塵となって消えていくのを見届けた後、ガレットが通りの角を曲がって来るのが見えました。

「あら、もう来てたの。って、なんだか随分汗だくね」
「ま、間に合った……。ガレットさん、めりーくりすまーす……（どしゃっ）」
「って、なんでいきなり倒れるのよ！」

よそ行きの服はすっかり雪まみれでしたが、ブランシュはやり遂げた満足感でいっぱいでした。

fin

---

（オムレット注）

……実話です（真顔）。

最初はフツーにデートさせてあげよう！　と思って、リヴリーアイランドトップページに
ブランシュを連れて行ったんですよ。
そしたら、いきなり見たこともない数のクモが降ってきまして（笑）
いつもなかなかクモに会えなくて苦労しているというのに、今、このタイミングでこれか！　と、
ブランシュの悪運の強さに笑ってしまいました。

で、できたお話がこちらです。
あとでこの話を聞いたリオンくんには、「ちが～う、剣の使い方はそうじゃないー！」と怒られそうですね。

【おまけ①】

ブランシュ 「これ、ぜーんぶガレットさんへのプレゼントだよ！　……なーんて、いつか言ってみたいなぁ……」
ガレット 「期待しないで待ってるわ」

【おまけ②】

ブランシュ 「ガレットさん、つ、強い……！」
ガレット 「当然でしょ。わたしが何レベルだと思ってるの」

２００５年から生きているガレットは、実はわが家では最強レベルだったりします←
ブランシュはあれです、何度か飼い主のうっかりに巻き込まれてるのでー……（汗）

普段、怖くてモンスター退治などしたことのないうちの子たちですが、
今回のようなイベントで戦闘ができるととても楽しいです♪
なんか、リヴを使ってRPGをしている感覚で！

すっかり忘れてたんですが、パークの雪像が出来上がったら、また何かアイテムがもらえるんですよね♪
それまで塔の家の面々も、モンスター退治に励もうと思います♪

コメント 6

こんばんは
ブランシュくん頑張りましたね
カッコいいです！
この後のデートでは会話が弾みそうですね
by finfin (2015-12-21 00:28) 

ブランシュくんお疲れ様でした
ガレットさんはちゃんとわかってくれてると思います　はい
パークの雪像　どんなのができるんでしょうね
ワクワクしながら待ってます§＾。＾§
by 雪渦 (2015-12-21 01:56) 

ぉお～、デートの待ち合わせ場所がトップページだったとは！
こっそり目撃できなかったのがとても残念です～。
チラシ丸写しに笑ってしまいました、ブランくん、可愛い～＾＾
そしてガレットさんの来る前に全て片付けようとする優しさがステキですｖ
(ブランくん、剣の修行をしてて良かったね＾＾)
リオンには怒られちゃうでしょうね～。
お前の命を守るものだ、もっと大事に扱えって言うかもｗ

リオン：「この辺、光りが淀んでるだろ？」
ブラン；「…よどん…でる？」
リオン：「ほら、ここ、曇ってるっていうか…、もっと磨けって。」
とか会話をしつつ、（そーゆー部類の剣じゃない気もしますがｗ）
何やら仲良く、せっせと磨くブランくんと指示するリオンを想像してしまいましたｗ
by cotono (2015-12-21 13:07) 

>finfinさん
こんばんは。
ブランシュをねぎらってくださってありがとうございますｖ
finfinさんの言葉であやつも報われたと思います。
なんだか物騒なクリスマスデートになりましたが
この後は気を取り直してディナーにでも行ったのではないでしょうか。
ブランシュの武勇伝が炸裂しそうですね。
ガレットはこの日だけは仕方がないと聞いてあげたらしいです＾＾
by オムレット (2015-12-25 01:24) 

>雪渦さん
ガレットも、この日ばかりはいつもの毒舌は抑えめだったみたいです。
素直じゃないので、面と向かって褒めたりはできないんですな。
雪像、出来上がりましたね～！
で、でかっ……というのがとりあえずの感想です（汗）
リヴリーアイランド中から、あれだけたくさんの雪玉が集まったのですね……。
さっぽろ雪まつりみたいだなーと思いました＾＾
by オムレット (2015-12-25 01:30) 

>cotonoさん
もうね、そういう手近なところから拝借するからバレるんですよね＾＾；
今年はグリンの丘が雪像製作会場だったので、トップページが一番豪華な飾り付けでしたね。
夜中に２人を連れて、クモを退治しつつスクショ撮ってました（笑）
リオンくん、ブランシュをを叱ってやってください！
大事な剣をバットがわりになんて言語道断ですよね！
（ブランシュ 「飼い主、お前が書いたんだろうが～！」）

たぶん、このデートの数日後、修行に行ったときに
リオンくんが剣の異常に気付くんでしょうね。
「お前、それどうした！？」ってな具合に。
２人で剣を磨く様子、２人の会話からすごく鮮明にイメージできましたｗ
剣が元通りになるまでは、稽古はおあずけなんですよ。
見かねたmerufaちゃんが、おにぎりでも差し入れしてくれるかな♪

２人の修業も、順調に進んでいるようですね。
今度はちゃんと習った剣技を披露してもらいたいものです＾＾；
by オムレット (2015-12-25 01:48)