おねがいゆうびん~学園編Ⅱ~ 【しくまれたご入学!】 [学園生活]
ココアが正式に学園に入学してから、2週間が経ちました。
最近の塔の家はその話題でもちきり。
今日も、ランチの席では、ココアがたのしい学園の様子をみんなに話して聞かせています。
ココア 「それでね、演劇部は全部で12人になったんだよー! すごいでしょ。これも、あたしの勧誘活動の成果かなあ?」
モカ 「それは分かりませんが……。良かったですね、
これで一人芝居をしなくて済みますね」
ココア 「うん! 次の劇はね、戦隊ものをやるつもりー♪
役が決まったら、ラテちゃん、また衣装お願いね!」
ラテ 「は、はい……(戦隊もの??←未知の領域)」
そんな中、話題に加わらず、テーブルの端っこで頬杖をついていたブラン。
ブランシュ 「へーほーふーん。楽しそうでなによりじゃん。んじゃ、おれは外でダチと約束があるから」
ラテ 「ブランさま? 紅茶とスコーンはよろしいのですか?」
ブランシュ 「いらね~」
ひらひらと手をふりながら、扉を出ようとしたところで、追加のお菓子を持ってきたレーズンと鉢合わせ。
レーズン 「ブランさん、どこへ行くんですか? 今日までの大陸語の課題は?」
ブランシュ 「さあね~っと。んじゃ、いってきまーす」
レーズン 「ブランさんっ!!」
レーズンの制止も聞かず、ブランは玄関を飛び出していってしまいました。
その日の夜、レーズンは使用人部屋の自分の個室で悩んでいました。
つくえの上にはブランのために買い集めた山積みの参考書。
しかし、そのほとんどが開かれた形跡すらありません。
レーズン 「もう、どうしたらいいの。あたしでは、とても役不足だわ……」
とんとん。その時、扉がノックされました。顔を出したのは隣の部屋のラテでした。すでに、いつものお仕着せから、寝巻きに着替えています。
ラテ 「レーズンさん、私、以前モカさまから聞いたことがあるんですけど……」
ベッドの上に腰をおろした2人は、なにやらひそひそと秘密の相談ごとをはじめました……。
次の日。ココアが学園に出かけてしまうと、レーズンは掃除用具一式を持ってココアの部屋へ向かいました。しっかりと扉を施錠し、そうっと机の引き出しをあけます。
レーズン 「あった! きっとこれだわ」
引き出しの中には、きれいな便箋と封筒がきちんと揃えてしまってありました。
普段なら主人の部屋のものに手をつけるなんて絶対にありえないことですが、今回だけは特別です。
事情は切羽詰まっているのです。
レーズンは、すばやくペン先をインクつぼにつけると、流麗な筆致で文面をつづり始めました。
行き先は、『夕焼け窓の、沈む海』まで。出来上がった手紙をエプロンのポケットにしまうと、レーズンは何食わぬ顔で仕事に戻りました。この手紙は、おつかいに出たときに町の郵便局に直接出すことにしましょう。
数日後。塔に大きな荷物が届きました。ラテと2人、使用人部屋で梱包を解いたレーズンはにっこり。
中にはフェアメル学園の制服と、入学許可証が入っていました。
朝。
目覚まし時計の大音量で目を覚ましたブランシュは、半眠りのまま傍らの椅子に手を伸ばしました。
そこに置いてあった衣類をボンヤリと身に着け、最後に枕元のipodを手にします。
部屋から出ると、真新しいリュックサックを受け取り、バターをたっぷり塗ったトーストをもぐもぐ。
そのまま玄関を抜け、気づくと黒蜜さんのロールスロイスの後部座席に乗り込んでいました。
ココア 「よーし! いざ、学園へしゅっぱつしんこーう♪」
ブランシュ 「お、おい!? なんだよコレは!」
ようやく我に返ったブランですが、時、すでに遅し。塔の家の面々に見送られ、車は発進してしまいました。
ブランシュ 「学園!? 冗談じゃねーぞ! おれは勉強なんかイヤだっ!」
無理やり外に出ようとしますが、ガチャリ。黒蜜さんの一操作で、無情にもドアにはロックがかかり、押しても引いてもびくともしません。ブランシュは脱力して、ぐったりとシートにもたれました。
ココア 「ブランくん、いやなの? どーして? 学校たのしいよ!」
ブランシュ 「いや、おれはアンタとは違うから……」
ココア 「野球部もあるよ!」
ブランシュ 「・・・・・・・・・・・・」
ココアのその一言が効いたかどうかは分かりませんが、こうしてブランシュの学園生活はスタートしたのでした。
はい、というわけでブランを学園に入れていただきました。申請をした数日後には、新規受付が一旦停止となってしまったので、まさに滑り込みセーフ! ま、間に合って良かった……。
ブランはココアの1コ下なので、中等部1年。
部活は野球部にしました。
どちらも少数精鋭! 学園内でもっとも人数が少ない中1クラスは、まともに授業を聞いてる生徒がいなそうだし(ごめんね、センセー!)、憧れの野球部は部員数6名。顧問のセンセー入れても7名。し、試合にならね~!!(爆笑)
ブランは「騙された……」とかぶつぶつ言ってそうですが、一度入部した以上、義理固い奴なので、もくもくと先輩たちの下働きに励んでいることでしょう。ふ、不憫な!!(完全に楽しんでいる)
そんなブランに女神が現れました!
先日、ご入学記事を後回しにされて(ほんとはこの記事、月曜日に上げるはずでした・ココアの誕生日とかぶって今日まで延期)、へこんでた彼のところに、素敵なプレゼントが届けられたのです。
◇紅蓮さんに描いていただきました!
一応ご報告はしたのですが。載せさせていただいても、大丈夫だった、かな??
とっても元気なブランシュです! 紅蓮さんの独特なタッチで描かれたブランシュは、太陽の光をいっぱいに浴びたみたいにイキイキとしてて、今にも画面から飛び出してきそうです。
本来のブランはきっとこんな子なんだろうな。ほら、普段の彼は塔の家の女性陣の尻に敷かれまくってるから……。本当に、とっても良い入学の記念になりました。紅蓮さんありがとうございました~!
最近の塔の家はその話題でもちきり。
今日も、ランチの席では、ココアがたのしい学園の様子をみんなに話して聞かせています。
*
ココア 「それでね、演劇部は全部で12人になったんだよー! すごいでしょ。これも、あたしの勧誘活動の成果かなあ?」
モカ 「それは分かりませんが……。良かったですね、
これで一人芝居をしなくて済みますね」
ココア 「うん! 次の劇はね、戦隊ものをやるつもりー♪
役が決まったら、ラテちゃん、また衣装お願いね!」
ラテ 「は、はい……(戦隊もの??←未知の領域)」
そんな中、話題に加わらず、テーブルの端っこで頬杖をついていたブラン。
ブランシュ 「へーほーふーん。楽しそうでなによりじゃん。んじゃ、おれは外でダチと約束があるから」
ラテ 「ブランさま? 紅茶とスコーンはよろしいのですか?」
ブランシュ 「いらね~」
ひらひらと手をふりながら、扉を出ようとしたところで、追加のお菓子を持ってきたレーズンと鉢合わせ。
レーズン 「ブランさん、どこへ行くんですか? 今日までの大陸語の課題は?」
ブランシュ 「さあね~っと。んじゃ、いってきまーす」
レーズン 「ブランさんっ!!」
レーズンの制止も聞かず、ブランは玄関を飛び出していってしまいました。
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その日の夜、レーズンは使用人部屋の自分の個室で悩んでいました。
つくえの上にはブランのために買い集めた山積みの参考書。
しかし、そのほとんどが開かれた形跡すらありません。
レーズン 「もう、どうしたらいいの。あたしでは、とても役不足だわ……」
とんとん。その時、扉がノックされました。顔を出したのは隣の部屋のラテでした。すでに、いつものお仕着せから、寝巻きに着替えています。
ラテ 「レーズンさん、私、以前モカさまから聞いたことがあるんですけど……」
ベッドの上に腰をおろした2人は、なにやらひそひそと秘密の相談ごとをはじめました……。
*
次の日。ココアが学園に出かけてしまうと、レーズンは掃除用具一式を持ってココアの部屋へ向かいました。しっかりと扉を施錠し、そうっと机の引き出しをあけます。
レーズン 「あった! きっとこれだわ」
引き出しの中には、きれいな便箋と封筒がきちんと揃えてしまってありました。
普段なら主人の部屋のものに手をつけるなんて絶対にありえないことですが、今回だけは特別です。
事情は切羽詰まっているのです。
レーズンは、すばやくペン先をインクつぼにつけると、流麗な筆致で文面をつづり始めました。
意欲はあれど、勉学の機会に恵まれない少年がいます。
ぜひともお力をお貸しください……。
ぜひともお力をお貸しください……。
行き先は、『夕焼け窓の、沈む海』まで。出来上がった手紙をエプロンのポケットにしまうと、レーズンは何食わぬ顔で仕事に戻りました。この手紙は、おつかいに出たときに町の郵便局に直接出すことにしましょう。
*
数日後。塔に大きな荷物が届きました。ラテと2人、使用人部屋で梱包を解いたレーズンはにっこり。
中にはフェアメル学園の制服と、入学許可証が入っていました。
ラテ 「でも、レーズンさん。ブランさんをどうやって説得するんですか?」
レーズン 「ふふ、それには策があるわ」
レーズン 「ふふ、それには策があるわ」
朝。
目覚まし時計の大音量で目を覚ましたブランシュは、半眠りのまま傍らの椅子に手を伸ばしました。
そこに置いてあった衣類をボンヤリと身に着け、最後に枕元のipodを手にします。
部屋から出ると、真新しいリュックサックを受け取り、バターをたっぷり塗ったトーストをもぐもぐ。
そのまま玄関を抜け、気づくと黒蜜さんのロールスロイスの後部座席に乗り込んでいました。
ココア 「よーし! いざ、学園へしゅっぱつしんこーう♪」
ブランシュ 「お、おい!? なんだよコレは!」
ようやく我に返ったブランですが、時、すでに遅し。塔の家の面々に見送られ、車は発進してしまいました。
ブランシュ 「学園!? 冗談じゃねーぞ! おれは勉強なんかイヤだっ!」
無理やり外に出ようとしますが、ガチャリ。黒蜜さんの一操作で、無情にもドアにはロックがかかり、押しても引いてもびくともしません。ブランシュは脱力して、ぐったりとシートにもたれました。
ココア 「ブランくん、いやなの? どーして? 学校たのしいよ!」
ブランシュ 「いや、おれはアンタとは違うから……」
ココア 「野球部もあるよ!」
ブランシュ 「・・・・・・・・・・・・」
ココアのその一言が効いたかどうかは分かりませんが、こうしてブランシュの学園生活はスタートしたのでした。
FIN
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はい、というわけでブランを学園に入れていただきました。申請をした数日後には、新規受付が一旦停止となってしまったので、まさに滑り込みセーフ! ま、間に合って良かった……。
ブランはココアの1コ下なので、中等部1年。
部活は野球部にしました。
どちらも少数精鋭! 学園内でもっとも人数が少ない中1クラスは、まともに授業を聞いてる生徒がいなそうだし(ごめんね、センセー!)、憧れの野球部は部員数6名。顧問のセンセー入れても7名。し、試合にならね~!!(爆笑)
ブランは「騙された……」とかぶつぶつ言ってそうですが、一度入部した以上、義理固い奴なので、もくもくと先輩たちの下働きに励んでいることでしょう。ふ、不憫な!!(完全に楽しんでいる)
*
そんなブランに女神が現れました!
先日、ご入学記事を後回しにされて(ほんとはこの記事、月曜日に上げるはずでした・ココアの誕生日とかぶって今日まで延期)、へこんでた彼のところに、素敵なプレゼントが届けられたのです。
◇紅蓮さんに描いていただきました!
一応ご報告はしたのですが。載せさせていただいても、大丈夫だった、かな??
とっても元気なブランシュです! 紅蓮さんの独特なタッチで描かれたブランシュは、太陽の光をいっぱいに浴びたみたいにイキイキとしてて、今にも画面から飛び出してきそうです。
本来のブランはきっとこんな子なんだろうな。ほら、普段の彼は塔の家の女性陣の尻に敷かれまくってるから……。本当に、とっても良い入学の記念になりました。紅蓮さんありがとうございました~!
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そしてそして、ココアのお誕生日にたっっくさんのお祝いをありがとうございました!!
みなさんにお祝いしてもらって、ココアは幸せものです~>< 本当に、ありがとうございました~!
みなさんにお祝いしてもらって、ココアは幸せものです~>< 本当に、ありがとうございました~!
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